海外におけるデジタルノマドビザの状況

海外ノマド

みなさん、こんにちは!
フリーランスエンジニアのKATSUMIです。

政府は2024年2月2日、ITを活用して世界各地を移動しながら働く「デジタルノマド(遊牧民)」を対象に、在留資格「特定活動」を与える新制度を発表しました。
外国人の6カ月の滞在と就労が可能になります。
優秀な外国人材を日本に呼び込み、地域の消費拡大などにつなげる狙いがあります。
3月末までに関係する省令・告示を改正し、運用を始めたい考えです。
でも私が関心を持つ、その逆の、日本人がデジタルノマドとして海外で滞在した場合はどのような状況なのかについて説明します。

海外におけるデジタルノマドビザの状況

デジタルノマドとは「IT技術を活用し、場所に縛られず、ノマド(遊牧民)のように旅をしながら仕事をする人達のこと」で、新型コロナウイルスの感染拡大を機にリモートワークが普及したことで急速に増加しています。
A Brother Abroad 社の調査では2021年時点の世界のデジタルノマド人口は3500万人以上とされ、さらに今後3~4年で倍増すると予測されています。
デジタルノマドが注目される第一の理由としては、高収入層が多い上に滞在期間が長く、経済波及効果が大きいことがあげられます。
民泊や短中期の賃貸プラットフォームを提供するFlatio 社が発表した2023年の調査レポートでは、デジタルノマドの49.2%が31,000ユーロ(約507万円)以上の年収があり、回答者の55.1%が1ケ所に1~4ケ月間滞在すると回答しました。
こうした特性を持つデジタルノマドを自国に誘致する動きが世界で急増しています。
多数の国において、新型コロナウイルスをきっかけに、いわゆるノマドビザの見直し、創設が行われています。
では日本人がビザなしで渡航できる国は多数ありますが、現地に住んで働くとなるとビザの問題が生じます。
※ビザランをする方も多数いらっしゃいますが、今回の記事では、デジタルビザは本当に必要なのかについて解説していきます。
(ビザランとはある国に、ビザあり、またはビザ無しで滞在期限まで滞在し、期限間近に隣国(あるいは他国)に出国し、ビザを受給したり、あるいはそのままビザ無しで再入国する行為)

世界のデジタルノマドビザ・プログラムの概要

別表は、主な国のデジタルノマドビザの特徴と要件をまとめたものです。
収入要件、医療保険の加入義務は共通した要件となっていることがわかります。
また、在留期間や延長の有無、取得に必要な費用、預貯金などの資産要件、求められる活動、電気通信技術を使用して働くことの証明、国外企業との雇用契約または自営業の証明、配偶者および家族の帯同の可否などを定めている国が多いです。
その一方で、ビザ取得要件とは別に、デジタルノマドの所得税の取り扱いについては国によってバラつきがみられます。
例えばマルタでは、リモートワークビザでの地方所得税は完全免除です。
マレーシアでも海外企業からの雇用やフリーランスから得た収入は不課税としています。
スペインなどでも非居住者向けの優遇所得税率を最大6年間にわたり適用するなど、様々な優遇措置が設けられています。

デジタルノマドビザを発行している国の情報は、下記で詳細が見られます。

ノマド・フリーランスができる国

デジタルノマドビザを発行している国

デジタルノマドビザ発行に際しての収入条件が高い

ノマドビザは、雇用主や契約先、そして収入源が滞在国外にあることが前提です。そのうえで各国さまざまに取得条件をさだめており、基本的に見られるのは下記の3点です。

①滞在国外からの安定した収入がある
②滞在国内で住む場所が確定している
③有効な健康保険に入っている

1番目の「安定した収入」がネックになる場合がほとんどです。
現地での雇用が必要ないことを証明するために経済的余裕が求められます。
駆け出しのフリーランスには少しハードルが高い国ばかりです。
お金持ちを呼び込みたい国が多いので、高収入の証明を求めており、ノマドの中でもオンラインビジネスオーナーや投資家が多い傾向にあります。
そんな中、最も収入条件の低いのはコロンビアで、銀行口座等で過去3か月に月額750USD(約115,000円)以上の所得証明です。
それ以外の国は、フリーランスにはちょっと難しいです。
デジタルノマドは基本的にはフリーランスで、社会的信用はありません。外国で就労ビザの取得は困難です。
海外ノマドをする場合には、ノービザでの滞在か、観光ビザでの滞在になります。
旅先で元々持っている自分の仕事をこなす事には特に問題ありませんが、現地で就労したり商売をする事はもちろんできません。
ビザの期限が来たら延長申請するか、一度出国するか、その土地を離れるかのどれかです。
入国する前に、ノービザでの滞在期限や観光ビザの取得方法など、しっかり調べておきましょう。
長期間同じ土地にとどまることができないのは、「ノマド(遊牧民)」の宿命であるとも言えます。
でも、海外ノマドの特徴は、ノービザか観光ビザいっぱいの3〜4ヶ月で転々と遊牧民みたいに暮らすことなので、デジタルノマドビザは必要ないかもです。
ただ、安定した収入があり、1年以上の長期滞在を希望ならば、デジタルノマドビザも視野に入れてもよいでしょう。

この情報が、海外ノマドを目指す方々のお役に立てますと幸いです。

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